坐骨神経痛でヘルニアの手術をしてきました。病院選びからリハビリまでの記録
椎間板ヘルニアの手術→入院中のすしぱくです。('A')
僕は、デスクワークで長時間座ることや、重たい撮影機材を持ち運ぶ職業柄、腰に負担をかけることが多く、表題のとおり坐骨神経痛(椎間板ヘルニア)で、ここ最近苦しんでました。家族はもとより、お仕事で関わっている皆様には大変ご迷惑をおかけしました。
これまで、カイロプラクティック、鍼灸整骨院、整形外科クリニック、脊椎脊髄専門病院、というドクターショッピングのように転々としながら治療をして、今ようやく手術によって痛みがなくなった状態で、リハビリの合間にこの記事を書いてます。
僕と同じように腰痛で苦しんでいる人がいたら、もしかして参考になるかもしれないと思い、ここまでの記録を残しておきます。
※ この記事は、あくまでも僕の体験談ですので、必ず資格をもった方に診てもらうようにしてください。記事を参考に何があっても当方は一切責任を持ちません。
腰痛発生から術前までの症状
まずは、僕の腰痛の状態から紹介します。腰痛を患ったのは、今から7年くらい前の時です。重たい荷物を運び出そうとして、ぎっくり腰になり病院でブロック注射を打ちます。
・参考:神経ブロック注射の作用・効果・副作用 [痛み・疼痛] All About
その際に、5番腰椎が椎間板ヘルニアと診断され保存療法をすすめられます。処方された神経と痛み止めの薬を飲みながら、病院のリハビリ室で1年ほど腰の牽引を行う治療です。しばらくして、腰の痛みがひいたので医師からは通院せずに様子をみてくださいと言われます。
そして、月日は流れて2年前程、右足が痺れるようになり、交通事故の後遺症だと思いながら生活します。
・交通事故の話:【体験談】交通事故で死にかけて入院した時の不思議な出来事。
どのような事故だったのか、簡単に説明すると、今から10年前以上に右太ももの骨「大腿骨(人間の最も太い骨)」が裂けて、割れて、飛び出る事故にあいました。ニュースで「男性1名・重症」という表記でテロップに出たやつです。
数年間松葉杖生活を送り、後遺障害が残るとのことでその等級数に応じた示談を終えたあとは、気圧の変化で骨が軋むような痛みがあっても、これが後遺障害なのだと諦めていました。
それから、ちょうど1年くらい前、この痺れが痛みに変わりはじめます。もしかしたら事故の後遺症とは別なのかもしれないと治療をはじめる決心をするわけです。以下
入院が苦手、手術が嫌だ、
最初から専門の病院で診てもらっていれば、この記事の文量は三分の一になっていたでしょう。結果論のはなしですが、どうしても病院へ行くのに抵抗がありました。その理由は以下のとおりです。1つ目は、交通事故のトラウマ
交通事故で全身麻酔と局所麻酔の手術で10回以上はオペ室に入っています。もう手術がうんざりするほどトラウマで、退院してしばらく経った頃、御見舞で病院へ行った時に、病室のアルコールのにおいで嘔吐したことがあります。できたら入院すらしたくない。それが頭をよぎりました。
2つ目は、7年前に保存療法で治ったから…
参考:「保存療法」は「安静」とはちがいます | 谷川整形外科クリニック
3つ目は、腰痛を患っている人からの意見
腰痛を経験している友人に聞いたところ、「カイロで治ったとか」「整骨院行ったらよくなった」とか、そういう類の話に影響されたやつです。ネットでは聞けないリアルな話は、影響を受けてしまいますね。
そんなわけで、病院は最終手段として、まずは保存療法で治す選択をします。
※ ちなみに友人から、治療所を紹介していただくこともありましたが、もしそれで改善されなかった場合、紹介してくれた方に申し訳ない気持ちになるのですべて断っています。
カイロプラクティックに行った話
まず僕が行ったのは、カイロプラクティックと呼ばれる自由診療のところです。神経圧迫を改善したり、病院では治らなかった痛みが改善されたと掲げているところが多く、Webサイト上の内容を見て病院とどう違うのか素人ではまるでわかりません。ただし、Webサイトを見るかぎり専門家が治療してくれるので信頼できそうな雰囲気はありました。んで、僕が行ったのは有名な大学病院の整形外科で勤務していた医師が運営しているそこそこ評判のよい店舗
事前に予約を取って、現在の症状などを伝えると
「足の痛みは、普段の椅子の座り方と、左右のバランスの崩れが影響しています。ここをアクティベーターで矯正すれば痛みは次第に緩和していきます」
「歩き方を見る限り、手術する必要はないと思います」
という話から、カイロの説明がはじまり、横になってアクティベーターを ぽこん ぽこん 打ってもらいました。
改善した体づくりと痛みが緩和するには、週2回通院すればよいとのこと。ちなみに保険は適用されないので、初診1万5千円、通常の診療は15分で7千円くらい取られます。かなり高額ですが、痛みも強かったので、すがる思いで通院するわけです。
それから、2ヶ月通っても痛みがひきません。
市販の痛み止めを飲みながら通う日々、本末転倒です。痛みさえ消えればと思いながら受診していたのですが、「もう少し長い時間がかかるかもしれない」と言われ、姿勢の保ち方などをレクチャーされただけの日(施術なし)もあったり、カイロの通院は自分の判断で終了となります。
高かったですが、姿勢やバランスの話はとても勉強になりました。
鍼灸整骨院に行く
次に向かったのは、鍼・灸ができる整骨院です。もう体のバランスとかはいいので、とにかく痛みを緩和してほしい、話はそれからだ的なほど痛みがひどく、行ったらすぐに鍼・灸をやってもらいました。一時的ですが痛みは消えたので、「これは期待できるわー」っと喜んでいたのですが、鍼灸師からの事前説明とおり、一時的に痛みは消えるが強い痛みの場合は、何度か通院が必要とのこと。そのとおりで、痛みが収まったのは数時間程度でした。
この時に、僕の症状は「坐骨神経痛」であると言われました。
ちなみに、保険使えると書かれていたのですが、僕の場合は保険適用外の治療だったそうです。
余談ですが、整体と整骨院はちがうもので、「鍼灸師」「柔道整復師」の国家資格をもった人が運営できるのが整骨院で整体は資格の必要はないそうです。詳しくは整体と整骨院あたりを調べてみてください。僕は『ぱくたそ』でげんき堂さんとコラボしたことがあったので、国家資格をもったところで診てもらいたく、保険適用ありの整骨院を選んだのですが、そこの整骨院では電気療法なら保険適用でした。
さて、通院した結果ですが、カイロよりはマッサージをしてくれて気持ちはよかったのですが、痛みが消えることはなく(一時的に効果はあった)、カイロよりはマシ程度、自分の判断で通院を終了しました。
ちなみにぎっくり腰で鍼・灸行ってそのまま痛みがなくなる人も多いそうです。僕は駄目でしたが…
駅前の整形外科に行く
ついに病院へ行く決心に!
もう嫌々ですが、仕事に支障が出てきたので、近所にある整形外科でもいいから「坐骨神経痛」を掲げてる病院を探して行ってみました。
予約せずに行くと、平日の昼間から高齢者の方々で座る場所さえなしの状態、リハビリ室で腰の牽引がライン工のように次々と行われてました。
「大丈夫かな・・・ここは」っと心配しながら、診察をお願いし2時間ほど待ちます。
すしぱく「カイロや整骨院行ったのですが痛みがなくならなくて・・・」
医師(院長)「左足と右足の力の強さが全然違いますね。これは痛かったでしょう、まずはレントゲンを取りましょう」
すごく雰囲気のいい優しい先生でした。「ようやく治療らしい治療になるぞーっ」っとレントゲンが終わり診察に
「椎間板ヘルニアから来る坐骨神経痛ですね。見たかぎり腰椎5番の右側が突出していますが小さいので治療すれば痛みはひくでしょう。痛み止めのリリカと神経に効くお薬を出しておきます。あとは腰の牽引20キロで3ヶ月くらい様子をみましょう」
ここでようやく7年前と同じく通院→腰の牽引パターンに戻るわけです。通院するのかー混むし嫌だなーと思いながら通います。ちなみにマッサージも受けましたが、ライン工のように次から次へと患者が入れ替わるので1分くらい腰をなでなでして終わりです。整骨院のほうがまだ丁寧で驚きました。
ちなみに処方されたリリカは、ものすごく効きます。むしろこれ飲んでない日がないくらいです。
参考:リリカの痛み止め効果・副作用・薬価・使用上の注意について | 【ミナカラ】
整形外科に通院して3ヶ月くらい
なんてことでしょう。まったく痛みは治りません。むしろ痛み止め(リリカ)を飲んでいない時の痛みがひどく、(僕が痛み止め飲んでいる時に、登山や撮影とかしているのがいけないはずだけど)再度診察を行ったところ
酸素カプセル(保険適用外)があるので入ってみるのもいいとすすめられ、「リリカの処方を1日2錠に増やし、もう3ヶ月様子をみましょう。それでかわりがなければMRIを取りましょう」と告げられます。
また腰の牽引ライン工に通院しながら高い酸素カプセルに入ってやりすごす日々のスタートです。もう毎日リリカがぶ飲みでした。飲んでる間は痛くなくなりますがものすごく眠くなるので、もう自律神経がおかしくなってた気がします。
[追記]僕の記事を読んでくれた方が、下記の内容をツイートしてくださいました。
リリカを飲んだ時は、ふらつきから真っ直ぐ歩けないし、吐き気と寒気で自律神経がもうダメな感じになりました。神経の怖さを思い知ったというか。
— エリー (@melly_design) 2017年9月1日
先月から、カイロに通って幸い痺れも痛みも楽になり薬からも解放されて、穏やかに過ごしています。
でもまたあの痛みがいつ来るかと思うと…。
僕はここまでひどくはなかったですが、最初の頃は猛烈な眠気で頭がふわふわしてました。
さらに3ヶ月後通院
なんてことでしょう。まったく痛みは収まりません。むしろリリカ飲みすぎて依存してしまった気がします。診察時にリリカを飲んでいると、治ったように言われそうなので、あえてリリカを飲まずに診察してもらいました。ちなみに、その頃は右の太もも裏から、ふくらはぎにかけて痺れと痛みがひどく、薬を飲まないとまともに座って仕事もできないくらいです。
「先生、いっこうによくならないんですが…」
「リリカよりも強いお薬を処方しましょう。これを飲んで半年後に変わらないようならMRIを取りましょう」
診察5分で終了…
えー 半年後なんて無理だよ・・・まじかよ… っと内心思いながら
「これ以上に強い薬は仕事に支障が出ると思いますので今まで通り、リリカいただけますでしょうか…」
で腰の牽引せずに帰ってきました。もうこの先生リソースないんだろうな・・この駅前の病院はダメだ…と自分で見切りをつけます。
脊椎脊髄専門の病院へ紹介状なしで行く
いくらかかってもいい、どれだけ時間をかけてもいい、とにかくちゃんと治す。ただそれだけだ。手術を覚悟で病院を探します。
ここで本当に苦労したのは、welq で問題になった、なんとかは幽霊のせい系のアフィサイトやキュレーションメディアがものすごく多かったことです。どこがいい病院なのか、ちょっと調べた程度じゃ、絶対にわからない。リテラシーが低い層はみんなひっかかるんだろうなと思うサイトばかりでした。朽木さんにこの業界もぜひ駆逐してもらいたい限りです。
もうね口コミサイトですらステマ的に疑ってしまいます。あと、ヘルニアのワードで病院が上位に来ることは少なかったので、これも闇を感じるわけです。僕が今入院している病院は普通に調べても上位表示にはないです。
んで、僕が調べた方法は、総合病院・大学病院ではなく脊椎脊髄専門で成り立っている病院、かつMRI、CT(機種名)があって、入院から手術まで行える。どのような先生が勤務しているのか詳細を調べ、その医師から辿って病院を見つけました。ここなら大丈夫だろうと。
・事情によりお教えできなくなりました。ご了承下さい。
紹介状無しで行き事情を説明したところ、看護師さんに案内され、気兼ねなく相談にのっていただきました。
これまでの経緯、内服している薬の種類などを伝えます。この時、足の痺れと痛みを我慢しつづけていたからか、左足と右足の力は半分もなかったそうです。また、左足と右足の太い部分を計測したら、足周りが5センチも違っていました。右足が5センチも痩せ干せていたんです。驚きました。
説明によると、神経が圧迫されていて、右足に必要な栄養が脳から出ていないから、痩せてしまうとのこと。その日のうちにレントゲン、MRI、CT、の手配をしていただきました。
そして、MRIの結果はこちら
「腰椎5番のヘルニアが突出して神経を圧迫している。そこまで大きいヘルニアではないが、もうすでに月日は経っているから、痛みが出ているのかもしれない。石灰化の可能性もある。」と説明されます。
輪切りにしたのはこちら
「神経が隠れてしまうほど、右側の突出が大きい。すでに薬を飲んで長い期間治療も続けてきたのだから、手術して取り除いた方がいい」と提案され
「お願いします」(即答)
でした。ここまでになると保存療法ではなかなか治らないらしいです。
痺れが痛みになり、痛みになると痺れを感じなくなるそうで、手術で痛みをとりのぞいても痺れは残る可能性があると言われました。
手術・そして取り除いたヘルニア
椎間板ヘルニアの手術は内視鏡と切開の方法があり、どちらも術後2日間で歩けるようになるとのこと。1ヶ月位は歩けないと覚悟していたので(交通事故のときは歩けるようになるまで4年以上かかったので)驚きました。また、術後1ヶ月くらいは負担をかけずにリハビリを行えば、普段通りの生活ができるとも言われました。通常のヘルニアの手術は内視鏡で行われるそうで、傷も小さく術後の痛みも少ないらしいのですが、僕の場合は石灰化している可能性が高いため内視鏡では難しく、背中側から切開(LOVE法)し筋肉と神経をどけて、ヘルニア部を切除すると説明をうけました。保険適用の手術です。
参考:【腰椎椎間板ヘルニア】ラブ法の手術方法・費用|Qlife痛み
手術は全身麻酔で行われ約2時間で終了
この病院は、日本全国から手術しに来る人が多いらしく、アメニティがものすごく充実していました。僕が実際に買ったのはT字帯(売店で買った)のみで、手ぶらで手術できる時代なのかと驚きました。前日に入院して、翌日の朝に手術を行い約2時間オペ、全身麻酔であっという間に終わりです。気づいたら見知らぬ天井でした。
術後は背中に血液を排出するドレーン(管)を入れられた状態で寝かされます。傷口の痛みは交通事故に比べたら全くないのですが、腰の手術だけに力をいれると激痛が走る感じです。
翌日、執刀医の方々から手術の様子を教えてもらいます。
僕はヘルニアが長かったのか、ヘルニアと靭帯が神経に癒着してしまって通常真っ白の神経が赤く腫れ上がっていたそうです。癒着をすべて剥がすのに時間がかかり、癒着を剥がしたあとは、腫れが引く注射を打っておいたとのこと。
これだけ悪化していたので、このまま放置していたら半年から一年後、右足は全く動かなくなっていただろうと言われました。よく我慢してましたねと言われたので、「はい・・・交通事故よりはマシだったので」と答えて笑われました。どんだけだよ・・
それにしても・・・駅前の整形外科は半年後にMRIって言ってて、その頃まで我慢してたらとゾッとしました。
それから、摘出した靭帯とヘルニアを見せてもらいました。
[以下、閲覧注意]
※ クリックすると摘出した画像が表示されます。
こちら→ ■ ■
また、診察の時にも言われましたが、痺れ→痛み なので、手術で痛みが取れたとしても神経の痺れとは数年付き合わなくてはいけないと言われています。
現に今は痛みは消えていますが、痺れはずっと残っている状態です。例えるのなら、ずっと正座したままの状態で足が痺れている感じですね。太ももをつんつんしても感覚は鈍いです。
というわけで、歩行訓練まっただなかで一日でも早く退院できるようリハビリ室でがんばってます。ちなみにこの病院のリハビリ室には、見た限り腰の牽引がありません。理学療法士さんに聞くと、「ありますが、ここまで痛みがつよいと使わないですよ。」っと言ってました。
おわりに
僕の本業のひとつにカメラマンという仕事があります。先日、北アルプスにも登りましたし、普通に20キロ以上の荷物を背負って現場に行くこともあり結構ハードです。
この手術をして、今一度健康について考えさせられました、そしてドクターショッピングではないけれど、高い高い保険料を払っているのだから、もっと早く病院に行くべきだと改めて思いました。
しばらくハードな仕事はできませんが、どうぞ今後ともぱくたそならびに、すしぱくをよろしくお願いします。症状の経過については、また改めてブログに書こうと思います。
医療情報の記事を書きました:坐骨神経痛の記事を書いて、医療情報の難しさを知った話|すしぱくの楽しければいいのです。
術後の記事:ヘルニア手術後の生活と経過について|すしぱくの楽しければいいのです。
退院しました→ 腰が楽になる! デスクワークのお供に僕が選んだフットレスト(足置き)|すしぱくの楽しければいいのです。